【富山湾 徹底解説】意外と知らない!? 構造など他の湾と比較してご紹介
どうも、編集長のサクラです。
突然ですがみなさんは、富山湾についてどれだけ知っていますか?
県外の人はともかく、富山県民だとしてもあまりに身近すぎて、その実態はあまりわかっていない人が多いかと思います。
そこで今回は、できる限り多くの人に富山湾のことを知ってもらうために、Wikipedia顔負けくらいにわかりやすく調べてみました。
1. 富山湾
富山湾は、北陸地方北東部に位置する湾であり、日本海では最大の外洋性内湾となっています。
漁場としても有名で、能登半島から口を開けたような形状となっており、日本海の「天然の生簀」と呼ばれています。
そんな富山湾はどのようなところなのか紹介していきます。
Wikipediaによりますと、富山湾は能登半島の付け根にある大泊鼻(石川県七尾市)と生地鼻(富山県黒部市)を結んだ線よりも南側の海域を指します。
しかし他の文献には正式な境界線がないとのことで、ある文献ではこんな感じでした。
これだと広範囲ですが、石川湾と言っても問題なさそうですね。
謎は深まるばかり。
海岸沿いに浅い海底がほとんどなく、急に深海に向かって落ち込む地形のため、富山湾には島や岩礁が少ないです。
湾内の島や岩礁で主なものは東から時計回りに以下の通り。
・男岩(高岡市)
・女岩(高岡市)
・唐島(氷見市)
・虻ガ島(氷見市)
・仏島(氷見市)
このうち周囲100mを超える比較的大きなものは、大きい方から虻ガ島、唐島、男岩の3島のみとなっています。
2014年10月18日に「世界で最も美しい湾クラブ」に富山湾は加盟しました。
「世界で最も美しい湾クラブ」は、1997年にドイツのベルリンで設立されました。
世界遺産のフランス・モンサンミッシェル湾、ベトナム・ハロン湾のほか、アメリカ・サンフランシスコ湾など世界の名立たる湾が加盟し、湾を活用した観光振興と資源の保全を目的に活動しています。
加盟条件
・優れた自然の美しさがあること
・豊かな生態系があること
・経済的潜在力があること
・地域と国レベルでの法的保護体制が整っていること
・世界遺産の評価基準に準じていること。
日本では、松島湾(宮城)、富山湾、駿河湾(静岡)、宮津・伊根湾(京都)、九十九島(くじゅうくしま長崎)が加盟しています。
・・・あんまりすごくない?
富山湾は、もっとも深いところは水深1,200m以上もあり、太平洋側の駿河湾(するがわん)、相模湾(さがみわん)とならんで日本を代表する深い湾のひとつとなっています。
富山湾の地形は、浅いところが少なく、岸近くから急に深くなっていることが大きな特徴です。
また、海底は深い谷(海底谷)が刻まれた、ふくざつな地形をしており、シロエビやバイ貝、ベニズワイガニなどのかっこうのすみかとなっています。
せっかくなので、富山湾と駿河湾と相模湾を比較してみてみました。
富山湾 | 駿河湾 | 相模湾 | |
深さ | 約1,200m | 約2,500m | 約1,500m |
魚の種類 | 約500種 | 約1,200種 | 約1,300種 |
名産 | ブリ、ホタルイカ、ベニズワイガニ | サクラエビ、シラス、タカアシガニ | アジ、サバ、カマス、キンメダイ |
高低差 | 立山から約4000m | 富士山から約6000m | 丹沢山から約3000m |
歴史 | 約2000万年前に誕生 | 約60万年前に誕生 | 約300万年前に誕生 |
※参考文献 wikipedia、各県HP、東海大学出版会日本海洋学会沿岸海洋研究部会編
日本一高い山に日本一深い湾があるなんて、駿河湾ってすごいんですね。
先ほど、駿河湾と相模湾を比較してみましたが、それでも富山湾が奇跡の地形をしている点があります。
それは山から海への到達距離が、世界的にも類を見ないほどの急なことです。
標高3,000m級の北アルプスから、一気に水深1,000mの海底に到達するため、豊富な栄養分を含んだ水がダイレクトに深海へ届けられます。
また富山湾の表層には、川から流れてきた塩分の低い「沿岸表層水」があり、その下層から200~300m付近には「対馬暖流系水」が流れています。
この流れに沿って暖流系の魚が富山湾にやってくる一方、水深300m以深には低温の「海洋深層水」が流れ、冷水系や深海系の魚介が生息します。
海水の3層構造の影響もあって、多くの魚が富山湾に生息しているのではないかと考えられています。
2. 観光地
富山湾では、ここでしか見ることができない現象や景色があります。
・蜃気楼
・ホタルイカの身投げ
・雨晴海岸
・海王丸パーク
・魚津埋没林博物館
これらは富山に来たならば、一度は見てほしいスポットとなっています。
蜃気楼は、対岸の風景が光の屈折により曲がり、風景が大きく伸びたり反転する現象のことです。
また春の蜃気楼(4月から5月に多い)と冬の蜃気楼(11月から3月に多い)と2種類あり、春は実際の風景の上側に、伸びたり反転した虚像が出現し、冬は実際の風景の下側に反転した虚像が見えます。
富山湾の海面上の空気が層をつくり、その上の空気とのあいだで温度差が生じ、急に密度が変わるときに発生することがわかっています。
富山県の風物詩と言えば「ホタルイカの身投げ」であり、ホタルイカは富山湾の神秘と言われています。
ほたるいかミュージアムは、ホタルイカの生態や棲息する富山湾の神秘について体験しながら楽しく学べる施設で、ここに併設されているレストランでは、ホタルイカをまるごといただくことができます。
また観光イベントとして、ほたるいか海上観光というものがあり、実際にホタルイカ漁を間近で見ることができます。
雨晴海岸は、高岡市にある富山湾から立山連峰を眺めることができる世界でも珍しい場所です。
標高3,000m級の山々を海上から望むことが出来るのは、世界でも3ヶ所といわれています。
①イタリアのベネチアから見えるアルプス山脈
②チリのバルパライソ市から見えるアンデスの屋根
③雨晴海岸から見る立山連峰
しかし、最近の調査で、3,000m級の山々を海上から見えるのは、実際はここ雨晴から氷見の海岸にかけてだけでは?ということがわかりました。
海王丸とは、商船学校の練習船として誕生した帆船です。
昭和5年に進水して以来、59年余の間に106万海里(地球約50周)を航海し、11,190名もの海の若人を育てた歴史がある船。
そんな海王丸がある海王丸パークでは、この海王丸をシンボルとして、現役当時の姿のままで一般公開しています。
埋没林博物館は、富山県の魚津市にある「埋没林」と「蜃気楼」という富山湾の二つの不思議に出会える博物館です。
通称「ねっこランド」とも呼ばれ、今から約2,000年前に埋没した樹齢約500年の杉の樹根をその場で保存、展示しています。
縄文時代の気象の変化を証明する貴重な資料で、国の特別天然記念物に指定されており、埋没林の発掘現場にそのままフタをかぶせたような展示室は、まさにここにあったと実感できとても興味深いです。
富山湾の魚
富山湾には多くの海の幸がありますが、特に有名なブランド化している魚たちが存在します。
富山のブランド魚
春のホタルイカ→富山湾の神秘
夏のシロエビ→富山湾の宝石
秋のベニズワイガニ→富山湾の朝陽
冬のブリ→富山湾の王者
それぞれ、うまいこと春夏秋冬に合わせた富山の名産品にしていますね。
特に、ひみ寒ブリが脂が乗っていて有名なのですが、それは富山湾のある構造のためなのです。
もちろん他にも立山連峰の森の成分と酸素がダイレクトに流れ込んでくるなどの理由はありますが、こうしてみると確かに富山湾は天然の生け簀っぽい気がしてきましたね。
他にも、ゲンゲやウマヅラハギ、バイ貝なの様々な魚介類があります。
4. まとめ
ということで、富山湾と言っても形状や観光地、そしてグルメなど様々なことがわかりました。
富山県民なら身近なスポットですが、県外の人からしたら珍しいことばかりかもしれません。
ぜひ富山に来た際は、富山湾のことを知ってから行ってみてください。