【富山の寒ブリ】時期と旬 おいしい理由は?歌やブリ小僧など雑学も
めちゃくちゃいかついブリ写真から失礼します、編集長のサクラです。
突然ですが、みなさんは富山県が制定した「県の魚」をご存知でしょうか?
答えはホタルイカ・シロエビ・ブリの3つで、中でもブリは圧倒的においしいんですよね。
特に氷見市で冬に穫れる「ひみ寒ぶり」は日本一おいしいブリとされており、全国から人がやってくるくらいの人気ぶりなのです。
もちろん富山県でもよく食べられており、ブリの消費量ランキングは全国1位となっています。
ということで今回は、そんな氷見の寒ブリに関する知っているようで知らない雑学とブリがおいしいお店などを紹介していきたいと思います。
ちなみに富山県にはどんな名産の魚があるかはこちらの記事を参考にしてください。
寒ブリの雑学
そもそも寒ブリって何なのよって話から始めます。
簡単に言えば、普通のブリは一年中獲れる魚で、寒ブリは冬期に獲れるブリのことです。
さらに富山県の氷見市では、重さ6kg以上で3歳半くらいなど一定の水準を満たした氷見魚市場で競られたブリを『ひみ寒ブリ』と言います。
ひみ寒ブリは、脂ののりがよく、他産の寒ブリよりも高値で取引されます。そのため、相当1個体に1枚ずつ販売証明書と専用箱に入れて出荷されるほどのブランド魚となっています。
そんな『ひみ寒ブリ』の旬は11月末から2月くらいとなっています。
こちらの時期がどのように決まるかというと、氷見では寒ブリが穫れだしたら氷見魚ブランド対策協議会が「ひみ寒ぶり宣言」を発令します。
この宣言には幾つかの条件があり、重さ、脂の乗り、安定供給の見通しなど総合的な判断の上なされます。
ちょうどこの時期に北海道から九州にかけて産卵のために南下し、このタイミングに氷見でブリを確保するわけです。
これには、先ほどの産卵に理由があります。
まずブリは、春の3月〜5月にかけて九州で産卵します。そうして生まれた稚魚はエサを求めて対馬海流にのり北海道へ。
夏と秋にエサをたらふく食べて成長したブリは、冬に産卵のために再び九州へ向かうことに。
しかし、下の図を見てください。
北海道から富山湾に一直線に突っ込みます。
ブリはアホなのか?と一瞬思いましたが、そんな実直なブリが大好きです。友達になれそう。
そんな脂ののった状態で氷見にやって来てくれるので、そりゃむちゃくちゃ美味しいのです。
ちなみに富山湾に捕まらなかったブリは、そのまま富山を通り過ぎて南の方へ泳いでいき、産卵のために九州に到着します。
その間にエネルギーを大量に消費してしまうため、ブリは少しずつ脂を失っていくわけですね。
ちなみにブリは3年ほど経たなければ、10kgを越えるものになりません。
天然ものだと、6kg〜9kgで2万〜4万。10kg以上だと5万から16万円まで値段が跳ね上がります。
価格は時価ですが、だいたいの値段を記載いたします。
握り1貫300円~、お刺身盛り2,000円~、ひみ寒ぶりしゃぶ2,500円~、ひみ寒ぶり丼2000円~、ひみ寒ぶり汁500円、ひみ寒ぶりの塩焼2,000円~、ひみ寒ぶり大根500円、ぶりの胃袋焼き900円。
さすがにピンからキリまでありますが、ひみ寒ブリのコース料理にもなると1人5千円〜1万円ほどで食べることができます。
北陸の海は11月下旬くらいに雷をともなう風雨になり、この大シケとカミナリの雷雨のことを地元の人は「ブリ起こし」と言います。
というのも、この時期にブリが富山湾に押し寄せるからであり、雷雨で嫌がるのかと思いきや、漁師はブリ漁に活気づき、テンションアゲアゲになるらしいです。
そんな寒ブリには合唱曲で、「寒ブリのうた」というものもあります。ちょっと聞いてみてください。
ぶるん ぶるん ぶるん ぶるん ブリ ブリ・・・誰得だよ。
この曲を聞くと、富山県民は寒ブリが食べたくなるんですね。うそです。
そんな氷見市には、寒ブリが穫れることもあり、こんなキャラクターもいます。
それがこちらの『ブリ小僧』なのですが、なんだか愛らしいと思いませんか?思いませんね。
小僧よりブリの方が大きいというアピールなのか、なんだかすごいです。
どうやら氷見市上水道マスコットキャラクターのようで、氷見市のところどころにブリ小僧を見かけます。
こちらは朝日山公園で、ブリの口から水が噴水しています。
・・・コワイ。
朝日山公園のブリ小僧は、昭和27年につくられたもののようで年期が入っています。
ぜひ氷見市に来た際には、ブリ小僧も拝んでみてください。
寒ブリに会いに行こう
それでは実際に『ひみ寒ブリ』がどれくらいおいしいのか、実際に食べにいきましょう!
個人的にかなりおすすめのお店が、氷見市にある「灘や」です。
こちらのお店は、落ち着いた雰囲気だけでなく、3,000円という価格で鰤しゃぶをいただくことができます。
ちなみに写真はこれで3人前です。うん、やっぱり3,000円でこれは高いっすね。
これが日本海側をグルっと回って氷見に来てくれた『ひみ寒ブリ』
ささっとお湯にくぐらせます。
この時にしゃぶしゃぶしすぎると、せっかくの美味しい鰤の脂がなくなり、煮物になりかねないのでご注意を。
赤い切り身が、薄いピンク色に変わればOKです。
ネギと一緒にポン酢×もみじおろしでいただきます。
むちゃくちゃうまい
とろけるおいしさ、やはり脂がしっかりあるので舌の上で身がほぐれますし、それでいて味がしっかりしています。
これはマジで人生に一度は食べてほしい味でした。
また、こちらのお店ではブリカマやブリ大根も食べることができます。
氷見に来てブリを食べる。これだけで価値があり、そして最高な冬になること間違いなしです。
ひみ寒ブリを食べていたら、今度は実際にどのように水揚げされているのか気になってきました。
実は氷見漁港では、実際に寒ブリがどのように水揚げされているのか見学することができます。
ちなみに本日は朝に5時に起き、寒さで死ぬかと思いました。セリは朝に6時半ごろに始まります。
ブリにはそれぞれ数字が貼られており、重量を示しています。7kgから10kg以上のものばかり。
なんだか圧巻のフォルム。
もちろん、寒ブリだけでなく他の魚もたくさんありました。
セリはというと、なにやら呪文のような言葉で何を言っているかわかりません。
それどころかあれよあれよという間に、ブリがさばかれていくではないか!えっ、いつ値段決まったの?どうやって決まったの?
なんか知らないけど、すごい気迫です。わたしは遠くから見守ることしかできません。てか寒い。
それで、こちらがセリであがった寒ブリです!
穫れたてを見ると、やはり張りが違う。触ってみても弾力感が全然違うくて、スーパーで売っているものよりも筋肉もすごいような気がします。
セリが終わるころには、外もだいぶ明るくなってきました。
なにはともあれ、富山の寒ブリがこのようにセリが行なわれて料亭や寿司屋に行くことがわかりました。
富山県では他にも秋の味覚であるベニズワイガニのセリも見ることができるので、こういうアミューズメントもまたいいですね。
ということで、ブリと言っても『寒ブリ』から『ひみ寒ブリ』まで多岐にわたってブランドがあることがわかりました。
また、ひみ寒ブリは富山が誇るブランド魚として、氷見市ではブリ小僧や歌があるなどの盛り上がりも見せています。
富山県民ならもちろん、県外の人もぜひ冬に富山に来たならば寒ブリを食べてみてほしいですね。
また富山県にはたくさんの名産品がありますので、こちらの記事もぜひごらんになってみてください。