【富山のフェーン現象】北陸でも特に発生しやすい原因や仕組みを解説
どうも、編集長のサクラです。
突然ですがみなさんは、「富山県がフェーン現象のため最高気温となりました。」などという報道を聞いたことはありませんか?
暑かったのはわかるのですが、フェーン現象ってそもそもなんだろう。しかもなんで富山県?
そんな疑問を晴らすために、今回は富山県のフェーン現象について調べてみました。
画像引用 「ウェザーニュース」より
フェーン現象とは、気流が山越えをして降下する風下側のふもとでは、乾燥して気温が高くなる現象のことをいいます。
フェーン現象の語源はヨーロッパ、アルプス北麓のフェーン村です。
ここは南よりの風が吹くと気温が上がり、雪が消えるなどで有名となったことから、地名がそのまま現象名となりました。
それでは今度はフェーン現象の原理と仕組みを説明していきます。
まず気温は、標高の高いところほど低くなる傾向があります。
晴れて雲がない場合で平均すると、標高が100メートル上がるごとに、気温は1℃下がります。
太平洋などからやってきた湿った空気が山に当たると山に沿って上昇します。
すると、標高が上がるので気温が下がります。
気温が下がると水蒸気が水滴に変わり、これが雲となります。
雲になった水滴は、山を越える前にほとんどが雨や雪となってなくなります。
そのため山を越えるときには、雲がほとんどなくなります。
山を越える前に雨や雲になったので、山を越えた空気には水分がほとんど残っていません。
そのため、山を越えた空気は乾燥し、山の反対側は晴天の暑い天気になるわけです。
フェーン現象は、5月ごろ~9月ごろにかけての北陸地方(新潟県、富山県、石川県、福井県)でよく見られます。
特に富山県が顕著に発生しやすいため、この季節になるとよくニュースなどで耳にする人も多いかと思います。
例えば2018年には、このフェーン現象の影響で、富山市は統計を取り始めた1939年以降最高の39.5度を観測しました。
また日本海側でフェーン現象が起きやすい理由は、日本の北側にある日本海よりも南側にある太平洋から吹く風の方が高温になりやすいためです。
また気温が上がってくると熱中症にも注意が必要です。
実は2016年のデータでは、富山県は熱中症による死亡者数全国1位となっています。
死亡率については気候的な影響よりも、エアコンを積極的に利用するかどうかのような社会的な要因が大きいそうです。
また県民性も関係していると考えられ、特に富山県民は真面目で堅実な性格のため、暑いなか農作業をしていてもずっと働き続ける傾向にあるのかもしれません。
5月や6月といえどフェーン現象で暑くなっていているならば、無理せずクーラーなどで自己管理してください。
→【富山の熱中症】実は死亡者数全国1位!? 真面目な県民性が仇に
ということで、今回は富山県のフェーン現象について紹介しました。
まさか富山県がフェーン現象の起きやすい地形だったとは知りませんでしたね。
ぜひみなさんもお子さんなどに聞かれたら理由をちゃんと答えられるようにしておきましょう。