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何も無いのはこっちだったか。

「いやー、もううちは足りてるから」

「そうですか。またよろしくお願いします・・・」

何もないのはこっちだったか

富山を飛び出し、10年。

ぎゅうぎゅう詰めの電車に揺られて、小さな会社のデスクに向かう。

こんな未来が待っているとは、あのときは思ってなかった。


午前11時の公園。

目の前には、元気に遊ぶこどもたちとそれを見守るお母さんたち。

あれから5年くらい地元には帰っていないけど、
ぼくにもこんな幼いときがあったのか。

あの町には、海があり、山があり、
田んぼでザリガニ釣りなんかしていた。

友人もいた。家族もいた。
たしか、恋人だっていた。






何も無いのはこっちだったか。


下を向くと、そこには小さな花が。




少し目を閉じてから、ぼくは立ち上がった。

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この記事の著者

SAKURA右足のくるぶし

1988年生まれ。同志社大学卒業。創刊編集長。
ふざけた文体が目につきますが、本人はいたってふざけております。
成功の反対は失敗ではない。挑戦しなかったことである。

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