戻ってくるところが富山でありますように。
「なにもわざわざ東京の大学に行かなくてもいいのに・・・」
東京の大学を受験する彼と、富山の大学を受験する私。
大学受験で東京に行く彼に「合格しないでよ。」
とも言えず、ましてやドラマみたいに「好きです。」とも言えなかった。
その代わりに、笑顔で「頑張ってね!」という言葉を贈るのが精一杯だった。
彼も笑顔でこちらを振り向き「あたりまえだろ!」と返した。
ふたりは結局、別々の大学へ進学し、そのときの笑顔が私の人生を変えるとは思わなかった。
あれから、25年。
私は再び、あの時と同じ気持ちで、遠く離れた大学を受験する息子に、
「頑張ってね!」とだけ息子に言葉を贈った。
息子は照れながらこちらを振り向き「あたりまえだろ!」と返した。
あの日の父親にそっくりだった。
どうしてこうも親子は似てしまうのか。
「わざわざ東京の大学に行かなくてもいいのに・・・」と、ふと思った。
お仕事の依頼はこちらまで 「お問い合わせ」